野生シカと私たちの暮らし

山に棲む野生シカの数が増え続ける昨今、人里にその姿を現すことが珍しくありません。一見すると自然豊かに思える光景ですが、田畑の農作物が荒らされるほか生態系に与える影響が問題になっています。また、シカが群れで行き来する獣道は山肌を崩し土砂災害の原因にもなる事などから、全国各地で野生シカの数を減らす対策がとられています。同時に野生シカが増える背景を理解し、共存の道を探る取り組みが求められています。 私たちの祖先は山から木を伐りだし、家をつくり、炭を焼き、摘んだ山菜、狩猟したシカの肉を食べ、骨、皮、角は生活用具に利用してきました。山の恵みを暮らしに活用する里山文化が自然との調和を保っていたのでしょう。私たちは野生シカの活用を通し、かつて育まれていた里山文化を再確認しながら、未来に繋ぎ活かしていきたいと考えています。

岩手県五葉山に棲む野生シカ 撮影者 佐藤嘉宏氏 ブログ「野のものたちの記憶」 http://ihatovnote.exblog.jp/

「ひょうごシカネット」との連携

自然動物保護管理法が60年ぶりに改定された2015年、兵庫を中心にシカ活用に取り組む狩猟者、食肉加工場、レストラン、食品メーカーなど団体、個人からなる「ひょうごニホンジカ推進ネットワーク」が結成されました。兵庫県ではシカを適正な生息数に戻すため毎年3万頭を目標に捕獲し、そのすべてを有効利用する取り組みが進められています。今新たに狩猟者の高齢化と残渣物の処理に掛かる莫大な費用が問題となり、捕獲されたシカの命を無駄にすることなく一頭丸ごとを使い切る研究がすすめられます。この取り組みに賛同する人々の円滑な情報交流と、この活動が日本全国に広くシェアされるよう里山グリーンネットワークは初年度には事務局として参画しました。 「ひょうごニホンジカ推進ネットワーク」のFacebookページもご覧ください。